じゃんけんの変種で、勝者はパーで勝てば 点、グーで勝てば 点、チョキで勝てば 点を得る。敗者は同じ額の符号を変えた点を得て、あいこは 点である。プレイヤーはどのような混合戦略を取るべきか。またこのゲームの値はいくらか。
利得行列を書き出す。 行プレイヤーがグー、パー、チョキをそれぞれ確率 、、 で選ぶとする。ここで であり、いずれも非負である。パーはグーに勝ち()、グーはチョキに勝ち()、チョキはパーに勝ち()、負けはそれぞれ符号を変えた値である。このゲームはゼロ和かつ対称——両プレイヤーが同じ行列に直面する——なので、その時点で値が でなければならないことがわかる。
各純粋戦略に対する行プレイヤーの期待利得を計算する。
無差別条件を課す。 混合均衡では、相手が 3 つの応手のどれを選んでも同じでなければならない。そうでなければ相手は最良の手に乗り換えてこちらを食い物にするからである。したがって
が成り立ち、さらに である。この「相手を無差別にする」という原理が解法のすべてである。
連立 1 次方程式を解く。 より が得られる。これを に代入すると
となる。また より であり、 を使うと となるので 、すなわち 、したがって である。
値を読み取って検証する。 3 つの式のどれに代入しても となる。3 つとも確かめると ✓、 ✓、 ✓、そして ✓ である。値が になったことで、ステップ 1 の対称性による議論が裏づけられた。
重みの意味を読み解く。 チョキで勝っても 点しかもらえないのに、チョキがいちばん多く()出される——チョキは相手のいちばん実入りのよい手であるパーの対抗手であり、その手を抑え込む必要があるからである。勝ったときの得点が最も高いパーは、逆にいちばん少なく()出される。無差別化を狙うゲームでは、ある手を出す確率は、その手自身の得点ではなく、相手の最善手をどれだけ強く抑え込まねばならないかに応じて決まる。
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