多項式の因数分解は、代数とそれに続くほぼすべての分野——方程式を解くこと、有理式を簡約すること、微積分で積分すること——を結ぶ橋です。このガイドでは六つの標準手法を順番に解説するので、多項式を見たときに当てずっぽうではなくチェックリストを持てるようになります。
判断のフローチャート
任意の多項式について、次の順番で問いかけます。
- 共通因数はあるか? まず最初にくくり出します。
- 2 項なら → 平方差/立方差。
- 3 項なら → 完全平方、または整数ペアの探索。
- 4 項なら → グループ化。
- 高次なら → 有理根の判定、続いて組立除法。
この順番に従うと時間を節約でき、因数分解の見落としを防げます。
手法 1:最大公約数(GCF)
常に最初に GCF をくくり出します。これによって残りすべてが簡単になります。
例:6x3+9x2−15x を因数分解します。
- 6,9,−15 の GCF は 3。x3,x2,x の GCF は x。
- 合わせた GCF:3x。
- 6x3+9x2−15x=3x(2x2+3x−5)。
- 次に内側の二次式を因数分解します。積が (2)(−5)=−10、和が 3 となる数を探します。5 と −2 を試す:✓。
- 最終結果:3x(2x+5)(x−1)。
手法 2:平方差
a2−b2 を見たら、すぐに次を適用します。
a2−b2=(a−b)(a+b).
例:x2−49=(x−7)(x+7)。
隠れた平方に注意:4x2−25=(2x)2−52=(2x−5)(2x+5)。
手法 3:立方の和と差
a3−b3=(a−b)(a2+ab+b2)
a3+b3=(a+b)(a2−ab+b2)
例:x3−27=x3−33=(x−3)(x2+3x+9)。
三項式の因子の中央項は学習者をよく混乱させます——もとの立方の符号と逆の符号になり、その後に正の最終項が続きます。
手法 4:完全平方三項式
a2±2ab+b2=(a±b)2
例:x2+6x+9=(x+3)2 ——9=32 かつ 6=2⋅3 なので見分けられます。
このパターンは微積分のあらゆる場面(平方完成、ガウス積分)で現れます。
手法 5:x2+bx+c の整数ペア探索
積が c で和が b となる二つの数を見つけます。
例:x2+7x+12 を因数分解します。
- 12 のペア:(1,12),(2,6),(3,4)。ペア (3,4) は和が 7。✓
- 結果:(x+3)(x+4)。
a=1 の ax2+bx+c にはAC 法を使います。積が ac、和が b となるペアを見つけ、中央項を分割し、グループ化で因数分解します。
手法 6:グループ化による因数分解
4 項があるときに使います。ペアにまとめ、各ペアを因数分解し、共通の二項式が出ることを期待します。
例:x3+2x2+3x+6 を因数分解します。
- グループ化:(x3+2x2)+(3x+6)=x2(x+2)+3(x+2)。
- 共通因数 (x+2):(x+2)(x2+3)。
グループ化は、AC 法で中央項の分割が必要となる三項式にも対応できます。
手法 7(応用):有理根定理
整数係数の高次多項式では、有理根定理により、任意の有理根 p/q について p は定数項を割り切り、q は最高次の係数を割り切ります。これらの候補を組立除法で試します——一つの根 r が見つかれば (x−r) が因子となり、多項式の次数を下げられます。
例:x3−2x2−x+2 を因数分解します。
- 候補となる有理根:±1,±2。
- x=1 を試す:1−2−1+2=0。✓ よって (x−1) が因子。
- 組立除法により x2−x−2 が得られ、これは (x−2)(x+1) と因数分解できます。
- 最終結果:(x−1)(x−2)(x+1)。
よくある間違い
- 最初に GCF をくくり出すのを忘れる——醜い因数分解になり、簡約の見落としにつながります。
- 平方差での符号の誤り——a2−b2=(a−b)2。多くの学習者が誤って完全平方の形を書いてしまいます。
- 素な式を因数分解しようとする。すべての二次式が整数の範囲で因数分解できるわけではありません。x2+1 には実数の因数分解はありません。解の公式に切り替えるか、「既約」と認めましょう。
- 一度の処理で止めてしまう。各因子がさらに因数分解できないか必ず確認しましょう(特に GCF をくくり出した後は、内側の式が再び因数分解できることが多いです)。
ソルバーで練習しよう
任意の多項式を無料の因数分解計算機に入力すると、どの手法をなぜ試したかを含め、すべてのステップを表示します。二次式で因数分解が失敗したときは二次方程式ソルバーと組み合わせて使いましょう。
具体的な例題は以下を参照: