球面座標を使って次を計算せよ。
被積分関数も領域も、どちらも動径方向に対称であることに注目する。 被積分関数 も境界 も、原点からの距離にしか依存しない。これは球面座標を使えという決定的な合図である。直交座標のままだと入れ子になった根号の積分範囲が必要になるが、球面座標なら範囲は3つとも定数である。
ヤコビアンを含めて球面座標への置換を設定する。
とすると被積分関数は に潰れ、体積要素はヤコビアンの因子を伴って
となる。 は形式的な付け足しではなく、座標変換による局所的な体積の伸び縮みの因子であり、これを落とすのがこの積分を間違える最も多い原因である。
積分範囲を書く。 単位球体は
で表される。( 軸から測る天頂角)は までしか動かず、(方位角)は まで一周することに注意する。この2つの範囲を取り違えると球体を二重に数えてしまう。
積分を組み立てて分離する。 被積分関数とヤコビアンを合わせると なので、
となる。被積分関数が( の関数)( の関数)( について定数)と分解され、しかも積分範囲がすべて定数なので、この三重積分は3つの1変数積分の積に分かれる。
3つの因子を計算する。
掛け合わせると:
答えの大きさを確かめる。 球体の体積は で、被積分関数 は中心の から表面の まで動くので、積分値は と の間に厳密に収まるはずである。球体上での の平均値は で、 より大きいのは妥当である。球の体積の大部分は外側の殻の近くにあるからである。外接する立方体上でモンテカルロ法により推定すると となり、 が確認できる。
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