次の関数の
のまわりのテイラー級数を求めよ。最初のいくつかの 0 でない項、一般項の閉じた式、収束域を答えよ。
微分に取りかかる前に関数の正体を見抜く。 という組み合わせは、逆双曲線正弦関数の標準的な対数表示
であり、すなわち である。これが重要なのは、対数から直接 を計算するのは過酷なのに対し、 の導関数は非常に簡単だからである。マクローリン展開が扱いにくそうに見えたら、導関数のほうが扱いやすくないかを確かめるとよい。
1 回微分すると対数が消えることを見る。 合成関数の微分により
かっこの が分母をちょうど打ち消すので
が残る。この打ち消しこそ、この問題が易しくなる理由のすべてである。
導関数を二項級数で展開する。 に対して
が成り立つ。、 とすると
となる。偶数次の項しか現れないので、 には奇数次の項しか出ないことがこの時点で分かる—— が奇関数であることと整合する。
を使って項別に積分する。 なので であり、べき級数は収束半径の内側で項別に積分してよい。
一般項を書く。 を積分すると になり、 なので
となる。最初の 2 つの係数を確かめると、 は を、 は を与える。✓
収束域を定め、答えを数値で確かめる。 の二項級数には 、すなわち が必要である。 では積分後の級数の項の大きさが となり絶対収束するので、収束域は である。 での数値検算では、上に書いた 5 項が を与え、 と一致する ✓
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