次の不定積分を求めよ。
定石を一通り試して、うまくいかない様子を見る。 置換積分は内側の関数の導関数が因子として現れている必要があるが、ももを生まない。部分積分は難しさを移動させるだけで、、と取るととなり、かえって悪化する。これは運が悪いのではなく、一種のシグナルである。
実際の結果を述べる。 初等関数による積分に関するリウヴィルの定理により、には初等的な原始関数が存在しない——多項式・指数関数・対数関数・三角関数・根号の有限個の組み合わせで、微分してこれになるものは1つもない。原始関数には代わりに名前が与えられている:
指数積分を定義する。 標準的な定義の1つは
である。で被積分関数が発散するため、コーシーの主値として取る。微積分学の基本定理により、この定義を微分すると被積分関数が戻る:
これはまさに原始関数に要求される性質である。
式の形が欲しければ級数がある。 と展開してで割ると:
項別に積分すれば
となり、ではこれがに等しい。ここではオイラー・マスケローニ定数である。実際に値を計算するにはこの形が実用的である。
うまくいく積分と対比する。 ももどちらも初等的であり、逃げていくのはその商だけである。同様にやは非初等的だが、は問題なく求まる——単純な目安が存在しないからこそ、この定理に意味がある。
級数を数値で確かめる。 では打ち切った級数となり、 ✓——両者は一致し、項別積分が正しいことを裏付けている。
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