次の式を考える。
これを等比数列の和として整理し、有理数の範囲と実数の範囲で因数分解できるかを判定せよ。
等比数列の和であることを見抜く。 5 つの項は から までの連続する累乗で公比は なので、有限等比数列の和の公式が使える:
同じことだが、この式に を掛けると途中が打ち消し合って になる。 のときの値は単に である。
有理数の因数を排除する。 有理根定理より、有理数解は定数項 を割り切らなければならないので、候補は だけである。、 で、どちらも 0 ではない。この多項式は第 5 円分多項式 であり、実際に 有理数の範囲では既約 である——その根は 4 つの原始 5 乗根である。
そこで止めてはいけない。実数の範囲では因数分解できる。 「既約」で話を終えてしまうのがよくある誤りである。実数係数の 4 次式はつねに 2 つの実 2 次式に分解でき、ここではその因数分解を具体的に書ける。 で割り( で正当)、対称に組にする:
t = a + 1/a と置き換える。 なので、括弧の部分は
になる。その解は ——黄金比とその共役である。 の各値は 2 次方程式 に対応する。
実数の範囲での因数分解を書く。
どちらの因数も実数の範囲で既約である。判別式は で、 と に対してそれぞれ と となり、どちらも負である。
帰結を押さえて検算する。 2 つの 2 次因数がつねに正なので、この 4 次式は すべての実数 に対して正 である—— での最小値はおよそ で、0 にはならない。数値では、もとの式と 2 つの 2 次式の積が のランダムな 個の の値で計算機の精度の範囲で一致し ✓、等比数列の形も で一致する ✓。
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