同じ 人の参加者の体格指数(BMI)を、トレーニングプログラムの実施前と実施後に記録した。
| 実施前の BMI | 実施後の BMI | |
|---|---|---|
| 1 | 19.24 | 18.50 |
| 2 | 20.50 | 19.50 |
| 3 | 23.00 | 21.90 |
| 4 | 31.90 | 27.00 |
| 5 | 22.00 | 21.70 |
| 6 | 34.30 | 33.70 |
| 7 | 25.80 | 24.80 |
| 8 | 23.70 | 22.50 |
| 9 | 20.10 | 19.80 |
| 10 | 32.40 | 31.20 |
| 11 | 25.10 | 23.93 |
| 12 | 25.00 | 23.00 |
| 13 | 27.67 | 28.99 |
| 14 | 23.48 | 24.30 |
| 15 | 28.49 | 28.92 |
有意水準 で、このトレーニングプログラムが平均 BMI を変えたかどうかを検定せよ。
2つの列が独立な標本ではないことを見抜く。 各行は同じ1人を2回測った値なので、「実施前」と「実施後」の数値は対で結びついている。2標本 検定を使うとこれらを無関係な 個の観測として扱うことになり、個人差の大きなばらつき(ここでは BMI が から まである)に埋もれてしまう。 個の差で計算すれば各人のベースラインが相殺され、プログラムの効果だけが残る。だからこそ、対応のある検定の方がはるかに鋭敏になる。
差 を作る。
15個のうち12個が正(BMI が下がった)で、3個が負である。仮説は差の平均 について立てる:
差の平均と標準偏差を計算する。 差の総和は なので、
分母は ではなく を使う。標本平均をすでにデータに当てはめてしまっているので、自由に動ける偏差は 個だけだからである。
差の平均を 統計量に直す。 の標準誤差は
で、 である。この統計量は要するに「観測された低下は から標準誤差いくつ分離れているか」である。
棄却限界値と比べ、 値を読む。 自由度 、 の両側検定では、棄却限界値は である。
対応する両側 値は で を下回る。 を棄却する。BMI の平均変化は統計的に有意である。
値だけでは効果の大きさが見えないので、信頼区間も報告する。
この区間は を含まず、検定と同じ結論になる。しかし同時に、低下幅が BMI ポイント程度にすぎない可能性もあることを示している。統計的には検出できても、下限側では臨床的な意味はほとんどない。さらに、1つの群を2回測っただけで対照群がないので、この変化をプログラムだけの効果に帰することはできない。
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