微分方程式
を解析して第一積分を求め、さらに微小角近似の解を与えよ。
方程式を見きわめ、通常の手法が効かない理由を押さえる。 と書けば、これは の減衰なし振り子の方程式である。 があるために非線形であり、特性根も未定係数法もラプラス変換もすべて通用しない——初等関数による閉じた形の解は存在しない。
x' を掛けて完全微分を作る。 これは 型に対する定石である。
両辺を時間微分として読み直す。 であり、 なので右辺は である。
積分して保存されるエネルギーを得る。 まとめて 1 回積分すると
となる。この第一積分は全エネルギーであり、 が運動エネルギー、 が位置エネルギーにあたる。これにより 2 階の方程式が 1 階に落ちる。
変数分離して楕円積分に出会う。 について解くと
となるので
である。この積分は初等的ではない——第 1 種不完全楕円積分である。厳密解についての正直な答えは、陽ではなく陰の形になる、ということである。
微小角で線形化する。 では なので、方程式は
すなわち単振動になる。特性方程式 より であるから
となる。
物理的な定数を取り出す。 なので角振動数は
であり、周期は となる。線形近似での周期が振幅によらないのに対し、本当の非線形の周期は振幅とともに大きくなる——この近似が隠してしまう最も重要な違いである。
両方の結果を数値で検証する。 厳密な非線形方程式を 、 から 4 次のルンゲ・クッタ法で 200 万ステップ積分すると、エネルギー の初期値 からのずれは 未満にとどまる ✓。第一積分が確かめられた。また 、 とした線形解は において を小数第 9 位まで満たす ✓。
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